島津評論 Vol.69[1・2](2012)
特集 食品分析

特集論文

食の安全に対する国内外の取組み

市川 千種1

島津評論 69〔1・2〕 3~14 (2012.9)

要旨

食品の安全に対する国際的な取組みと日本国内における取組みについて紹介する。昨今世界共通の概念とし てリスクを評価し管理するリスクコントロールの概念が広く用いられている。国際的には政府間機関としてCodex 委員会がリスク評価を行い,複数のFAO/WHO 共同専門委員会がリスク管理を行っている。また民間ではISO がその役割を担っている。国内でも同様の観点で体制を整えており,食品安全基本法を軸にリスク評価機関として食品安全委員会が設立され,食品の安全に係る科学的知見を提供し,その情報を基に関係省庁がリスク管理を行っている。リスク評価として科学的知見を得るために機器分析は不可欠であり,より微量な危害要因を高感度かつ高精度に検出できる分析装置の開発はリスクの精密な評価につながっている。


1分析計測事業部グローバルマーケティング部

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。