島津評論 Vol.68[3・4](2011)
特集 航空機搭載機器

特集論文

光学式ヘッド・モーション・トラッカを利用したヘルメット・マウンテッド・
ディスプレイの開発と防災ヘリコプタ研究における飛行実証

多和田 一穂1松原 行信1

島津評論 68〔3・4〕 101~107 (2012.3)

要旨

島津製作所は長年にわたりヘッド・アップ・ディスプレイ(HUD)の開発,製造に従事し,防衛省の航空機用に納入してきた。それら HUD 開発で培ってきた光学設計,電子回路設計等の技術をもとに,1980年代後半よりヘルメット・マウンテッド・ディスプレイ (HMD) の開発に着手し,製品化を実現した。
また,従来 HMD に使用されるヘッド・モーション・トラッカ (HMT) には磁気式 HMT が採用されてきたが, 磁気式 HMT ではコックピット内部の磁気歪を事前に計測しておき,補正を行う必要があった。そこで,著者らは事前磁気歪計測が不要で高精度な光学式 HMT を開発した。
本稿では光学式 HMT を採用した HMD の開発概要,および宇宙航空研究開発機構 (JAXA) との共同研究「防災ヘリコプタの研究」における光学式 HMT を利用した HMD の飛行実証状況について紹介する。


1航空機器事業部 技術部

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