特集論文
放射線治療装置用動体追跡システムの開発
島津評論 68〔1・2〕 51~58 (2011.9)
要旨
体幹部定位放射線治療(SRT)における最大の課題である患部以外への照射を抑えるため,以下の特徴をもつ放射線治療装置用動体追跡システムを開発中である。
- 腫瘍近傍に留置した金マーカをX線透視画像からパターン認識によりリアルタイムに追跡し,計画した位置範囲内に金マーカが存在するとき,すなわち腫瘍が治療ビーム照射領域に位置したと判断されるとき,放射線治療装置へ治療ビーム照射指示信号を出力する動体追跡処理装置。
- X線管球2式,X線検出器2式それぞれに駆動機構を設けて独立制御し,金マーカのモニタリングに最適な透視位置に移動でき,高精度な繰り返し停止位置再現性を有する可動台座。
- カラーX線検出器またはFPDを使用した,透視タイミング制御および治療ビーム照射指示信号出力を制御する同期コントロール装置。
1医用機器事業部 技術部
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