島津評論 Vol.67[3・4](2010)
特集 エネルギー・環境

特集論文

燃料電池材料の物性測定・形態観察

鷲尾 一裕1

島津評論 67〔3・4〕 165~172 (2011.3)

要旨

固体高分子形燃料電池(PEFC)の心臓部にあたる膜電極接合体(MEA),さらにその構成材料であるガス拡散層(GDL),高分子電解質膜などの形態観察ならびに物性測定を行った。形態観察の手法としては,工業用X線CT,共焦点レーザ顕微鏡,走査型プローブ顕微鏡などを採用した。これらの各種画像データとともに,画像解析から得られる情報を解説する。特にガス拡散層の画像データとその空隙に関する解析結果は,水銀圧入法による気孔率の測定結果と良い相関を示している。また,触媒材料として用いられる導電性カーボンブラックの物性測定の例として,粒度分布測定の新しい手法,ガス吸着法による比表面積測定結果,さらにはその応用測定の可能性などを紹介する。


1分析計測事業部 応用技術部

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。