特集論文
太陽電池の機器分析による多角的評価
島津評論 67〔3・4〕 133~152 (2011.3)
要旨
太陽電池の発電素子であるセルには,結晶シリコン,薄膜シリコン,化合物系(CIS/CIGS薄膜) ,有機系(色素増感,有機薄膜)の4種類があり,これらのセルを中心に部材を組み立てモジュールと呼ばれる最終製品となる。ここでは各種セルおよびモジュールの部材を様々な分析手法で特性や性能を評価した結果を示す。結晶シリコンでは,Si表面テクスチャー形状,表面Ag電極の3次元形状・焼結過程,多結晶Si中の軽元素についての評価結果を示す。薄膜シリコンでは,TCO膜の表面テクスチャー形状,透過率,レーザーパターニングについての評価結果を示す。化合物系(CIGS薄膜)では,Mo裏面電極の表面およびパターニング形状,CIGS薄膜の組成および結晶構造についての評価結果を示す。有機系では色素増感に用いるRu色素N719の不純物分析を行った結果を示す。モジュールでは,接着封止透明フィルムとして用いられるエチレン - 酢酸ビニル共重合体(EVA)について紫外線劣化解析,強度試験を行った結果を示す。
1分析計測事業部 応用技術部
※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。