島津評論 Vol.67[3・4](2010)
特集 エネルギー・環境

特集論文

省エネ型発光分析装置 PDA-8000の開発

深山 隆男1土生俊也2長  治生2河藤栄三3

島津評論 67〔3・4〕 111~116 (2011.3)

要旨

発光分光分析は金属を固体のまま直接分析できるという優れた特長があり,定性あるいは定量分析に用いられている。定量範囲は元素の種類やマトリックス成分によって異なるが,数ppm~数十%前後と広範囲で,金属中の20数元素を同時に定量することができる。また,一試料あたりの分析時間が一分以内と早いために金属生産過程のオンライン管理分析用として広く使用されている。
発光分析装置PDA-8000は鉄鋼・アルミニウム・銅合金等の金属材料中の不純物元素を高感度に定量する装置として開発した。発光分析装置を高感度化するためには高エネルギー放電にする必要があるが,PDA-8000ではこれを作り出す発光電源のエネルギー効率を向上させることで感度を高めると共に,消費電力も従来モデルに対し大きく削減させることができた。本稿では感度向上と消費電力削減に大きく寄与した発光電源を中心にPDA-8000について報告する。


1分析計測事業部 スペクトロビジネスユニット
2分析計測事業部 技術部
3クレイトスグループピーエルシー

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。