島津評論 Vol.67[1・2](2010)
特集 センサ・デバイス

特集論文

全固体UV パルスレーザの開発とその応用

石垣 直也1宇野 進吾1齊川 次郎1門谷 章之1東條 公資1徳田 勝彦1渡辺 一馬1井戸  豊1平等 拓範2

島津評論 67〔1・2〕 13~21 (2010.9)

要旨

次世代MALDI 用光源として全固体UV パルスレーザを開発した。固体レーザ媒質としてセラミックNd:YAG を,波長変換素子としてPPMgSLT およびLBOを使用しレーザ共振機の小型化を図ることによりMALDI/TOF-MS に必要とされるパルス幅5ns 以下のUV パルス光を得た。開発したレーザを用いてMALDI/TOF-MS への搭載評価を行い,N2レーザと同等の質量スペクトルを得られることが確認できた。さらに顕微MALDI への搭載評価を行い,高いビーム品質による高解像度化や発振の高繰り返し特性による測定時間の短縮など,本レーザの有効性を確認した。


1デバイス部センサ・デバイスビジネスユニット
2自然科学研究機構分子科学研究所 博士(工学)

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