島津評論 Vol.67[1・2](2010)
特集 センサ・デバイス

特集論文

LD 直接波長変換型レーザの開発とその応用

門谷 章之1渡辺 一馬1福士 一郎1東條 公資1井戸  豊1

島津評論 67〔1・2〕 3~12 (2010.9)

要旨

光通信用赤外半導体レーザと導波路型波長変換素子を用いてLD(Laser Diode)直接波長変換型レーザ「LUMICUBE」を開発した。「LUMICUBE」は,アルゴンイオンレーザの持つ480 nm から530 nm の波長帯域をカバーする機器組み込み用のLD 直接波長変換型レーザである。VHG(Volume Holographic Grating)素子による基本波レーザ光の波長ロック機構を実現し,±1%未満のSHG(Second Harmonic Generation)光出力の安定性を達成した。独自の制御方法によるSHG 光出力可変APC(Auto Power Control)機能を有し,ノイズレベルも1%rms 未満を達成し,偏光比は100:1以上と分析機器用途の光源としての性能を持つ。気密封止パッケージやレーザ溶接を用いることにより,長期信頼性を保持する構造とした。また,溶接歪みによるカップリング効率の低下を軽減する手法により,ピーク調整値と同程度のSHG 光出力を維持した。


1デバイス部センサ・デバイスビジネスユニット

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