特集論文
リン酸Buffer系移動相を用いたLC条件での製剤中不純物の構造解析
島津評論 66〔3・4〕 223~230 (2010.3)
要旨
医薬品中の微量不純物の管理は,製品品質の向上において重要なポイントのひとつである。最近,高分解能質量分析計を用いた不純物の構造推定が有用な手段として脚光を浴びているが,医薬品の分析条件には,LCの移動相に不揮発性塩やイオンペア試薬を含む場合が多く,そのままではLC/MS分析を行うことができない。本稿では,LC/MS分析に影響を与えることなく,不揮発性塩を含む緩衝液でも不純物の解析が可能なオンライン前処理(カラムスイッチング)システムについて紹介するとともに,平滑筋の交感神経β2アドレナリン受容体の刺激剤であるリトドリンの注射製剤の分析に本システムを適用した例を紹介する。
1分析計測事業部 ライフサイエンス事業統括部 LC ビジネスユニット
2分析計測事業部 応用技術部 アプリケーション開発センタ-
※所属名は論文作成時のものです。
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