島津評論 Vol.66[3・4](2009)
特集 ライフサイエンス

特集論文

メタボローム解析の次世代診断システムへの応用

波多野 直哉1篠原 正和2西海 信3中島  宏樹4松原 稔哉5吉田 優6

島津評論 66〔3・4〕 201~208 (2010.3)

要旨

メタボローム解析とは,生体の低分子の代謝産物を網羅的に定量解析することを意味し,いわゆる“オミクス解析”の一つとして,ゲノム,トランスクリプトーム,プロテオーム解析とならび,近年,ライフサイエンス分野の様々な研究課題において使われ始めている。医薬業界からも熱い視線が注がれており,今後さらに需要が増すことが予想される。本稿では,LCMS-IT-TOFを用いたメタボローム解析の医学応用について,血清サンプルの前処理を含む実験手順,データの統計処理法などを説明した。著者らは,このメタボローム解析により得られたデータを用い,多変量解析を用いたマルチバイオマーカ的な診断システムへの応用を考えている。


1神戸大学大学院 医学研究科 質量分析総合センター 博士(理学)
2神戸大学大学院 医学研究科 生化学分子生物学講座 博士(医学)
3神戸大学大学院 医学研究科 内科学講座 博士(農学)
4分析計測事業部 ライフサイエンス事業統括部MSビジネスユニット 博士(工学)
5基盤技術研究所 ライフサイエンス研究所 博士(理学)
6神戸大学大学院 医学研究科 内科学講座 博士(医学)
※所属名は論文作成時のものです。

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