島津評論 Vol.66[1・2](2009)
特集 先端技術開発

特集論文

光と流体の複合解析

宮内 真二1

島津評論 66〔1・2〕 81~86 (2008.8)

要旨

光学系の設計・解析を目的に光線追跡を行う場合,各光学素子はその表面形状や材質の屈折率,あるいは焦点距離,回折特性,散乱特性といった光学的特性が明らかでなければならない。ところが,化学物質の同定,定量を行う高速液体クロマトグラフ(HPLC)において,カラムにより分離された試料を光学的に検出するのに用いられるLC 検出器などは,検出セル内の濃度分布が時々刻々と変化する。そのため光線追跡に必要な光学特性を明らかにするには流体のふるまいを把握しなければならない。著者らは,数値流体力学(CFD : Com-putational Fluid Dynamics)による流体計算と光線追跡を複合的に行うことでLC 検出器のような時々刻々と光学特性が変化する光学系を解析することを可能としたので報告する。


1設計技術センター
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