特集論文
新しいイオン光学系を採用した多重周回飛行時間型質量分析計の開発
島津評論 66〔1・2〕 53~60 (2009.9)
要旨
時間収束性と位相空間での軌道安定条件を考慮した,新しいイオン光学系を採用した多重周回飛行時間型質量分析計を開発した。この装置では,従来の装置と比較して高感度,高分解能が期待できる。装置評価のため窒素ガスとエチレンを用いて多重周回飛行時の質量分解能の変化を検証した。その結果,周回を重ねてもイオンパケットの幅の増加は少なく,質量分解能が向上していくことが確認できた。最終的に2000周(飛行距離1949m)において質量分解能100万が達成された。
1分析計測事業部 ライフサイエンス事業統括部 MS ビジネスユニット
2基盤技術研究所 博士(理学)
3基盤技術研究所
4シマヅリサーチラボラトリー(ヨーロッパ)リミテッド 博士(理学)
5設計技術センター
6設計技術センター 博士(理学)
7大阪大学 大学院理学研究科物理学専攻 博士(理学)
8浜松医科大学 分子イメージング先端研究センター 分子解剖学研究部門 医学博士
※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。