島津評論 Vol.66[1・2](2009)
特集 先端技術開発

特集論文

レーザ吸収分光法を用いた高速・高感度ガス計測装置の開発

松田 直樹1星野 洋輔1田窪 健二1橋本 豊之1森谷 直司1河村 義裕2

島津評論 66〔1・2〕 45~52 (2009.9)

要旨

著者らは,経済産業省による「高度分析機器開発実用化プロジェクト」事業からの助成を受け,メタノール改質型燃料電池システムの開発促進を目的とするCO ガス計測装置を開発した。本装置は波長可変半導体レーザ吸収分光法(TDLAS)と波長変調分光法(WMS)を採用し,モバイル機器向け燃料電池のような小流量サンプルでの高い感度と応答性を実現した。カシオ計算機株式会社の協力のもと,本装置を同社が試作したメタノール改質型燃料電池に接続し,改質器モジュールから出力された燃料ガスにおけるCO ガス濃度のリアルタイム計測を行った。実験では改質器モジュールに投入する空気量の変化に対するCO 濃度のモニタリングのほか,燃料電池システム起動時のCO 濃度などについて調べた。


1基盤技術研究所
2カシオ計算機株式会社 研究開発センター 博士(工学)
※所属名は論文作成時のものです。

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