島津評論 Vol.65[1・2](2008)
特集 食品の安全と品質評価

特集論文

食品関連分野における粒度分布測定

木下健1

島津評論 65〔1・2〕 67~73 (2008.9)

要旨

レーザ回折式粒度分布測定装置の特長の一つとして,様々な状態の試料に対応可能なことが挙げられる。その範囲は乾いた固体粒子の懸濁液はもちろんのこと,高濃度のスラリーやエマルジョン,さらにはエアロゾルにまでおよぶ。食品関連分野の試料には,スラリー・ペースト・エマルジョン・クリーム・パウダーと様々な形態のものが存在するが,このような多岐に渡る様態の試料にレーザ回折式粒度分布測定装置は対応可能である。
本稿では,まず,レーザ回折散乱法の測定原理を解説し,次に,装置の構造と各種の測定方式を解説した。 その上で,クリーム状試料の例としてアイスクリームを,比較的低濃度のエマルジョン試料の例としてスポーツドリンクを,そして,乾燥状態の固体粒子をエアロゾルの状態で測定する例として小麦粉をとりあげて,それぞれの試料に応じたアタッチメントを選択して測定した結果を示した。


1分析計測事業部応用技術部

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。