特集論文
ナノサーチ顕微鏡による細胞外マトリックスの観察
島津評論 64〔3・4〕 131~137 (2008.4)
要旨
近年,細胞と人工材料や生体由来材料とを組み合わせて,生体組織に類似した機能を有する組織を再生する組織工学が発展している。本稿では,ナノサーチ顕微鏡(島津SFT―3500)を用いて,骨芽細胞様細胞が形成した細胞外マトリックスを観察し,次の成果を得た。
- 大気中・無蒸着にて培養細胞の全体像および細胞外マトリックスを狙って観察することができた。
- ナノサーチ顕微鏡のAFM機能により,細胞外マトリックスにコラーゲン原線維を確認することができた。
- 培養日数の差による細胞外マトリックス産生の違いが観察できた。
- 細胞接着に重要であると考えられるコラーゲン原線維末端をLSM にて特定し,AFM にて高倍率観察することに成功した。
1株式会社 島津総合分析試験センター
2分析計測事業部 X線・表面ビジネスユニット
3分析計測事業部 応用技術部
4独立行政法人 物質・材料研究機構 博士(理学), (現在, 東京都立産業技術研究センター)
5独立行政法人 物質・材料研究機構 博士(工学)
6独立行政法人 物質・材料研究機構 博士(工学)
7独立行政法人 物質・材料研究機構 工学博士
8独立行政法人 物質・材料研究機構 工学博士, (現在, 東京工業大学)
※所属名は論文作成時のものです。
※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。