島津評論 Vol.63[1・2](2006)
特集 ライフサイエンス ―機器・方法の新展開―

特集論文

LCMS-IT-TOFのプロテオーム解析への応用

飯田哲生1山口実2松井真由美3山口真一3

島津評論 63〔1・2〕 19~28 (2006.9)

要旨

ヒトゲノムをはじめとする多くの生物でゲノム情報の蓄積が進み,ポストゲノムの時代に突入している。その翻訳産物であるタンパク質を網羅的に解析するプロテオーム解析は,その多くが翻訳後修飾された複雑で極微量のタンパク質を対象とする。そのため,ナノ流速のHPLC(High Performance Liquid Chromatography)と ESI(Electrospray ionization)をイオン源とした四重極イオントラップ-飛行時間型質量分析計を連結した高感度で高精度な MSn測定が可能な分析システム構築への期待が年々高まっている。本稿では,新たに開発したナノ ESIインタフェース(NES-100)を介して島津製作所の高性能 LCMS-IT-TOF(島津高速液体クロマトグラフ質量分析計)とナノ HPLCを連結したプロテオーム解析システムを紹介し,実際に解析を行った例について報告する。


1分析計測事業部ライフサイエンス研究所バイオサイエンス博
2分析計測事業部ライフサイエンス研究所
3分析計測事業部MS/GCビジネスユニット
※所属名は論文作成時のものです。

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