島津評論 Vol.61[3・4](2004)
特集 医用画像機器XIII

普通論文

靴殺菌脱臭乾燥機の開発

田原 修1尾松宏治1

島津評論 61〔3・4〕 231~235 (2005.3)

要旨

靴内部の悪臭は,靴内底に繁殖する細菌の増殖に伴って発生する有機脂肪酸などの悪臭成分に起因することが多い。特に,蒸れやすい“つま先部”周辺は多くの細菌が繁殖して悪臭要因になると同時に水虫も起こりやすい環境が形成される。著者らは,靴内環境を健康・快適にするためには悪臭や水虫のもとを断つことが重要であると考え,つま先部周辺を重点的に殺菌・脱臭・乾燥する靴殺菌脱臭乾燥機SSS-100Nを開発したので概要を報告する。
この装置は室内で使用するために,悪臭で室内環境が汚染されにくいBOX構造を採用している。この装置の性能は,1回15分間の運転で,紫外線による殺菌能:99.9%以上,光触媒による脱臭能:99%,温風による乾燥能:2.5g除湿が可能である。また殺菌効果の持続性を調べた結果,殺菌した靴を1日履き続けても細菌増殖は殺菌時の10倍以下に維持できることが確認できた。また,この装置が革靴に及ぼす影響を調べるために,専門機関による靴品質評価試験およびシューフィッターによる着用試験を行った結果は良好であった。


1基盤技術研究所
※所属名は論文作成時のものです。

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