島津評論 Vol.61[1・2](2004)
特集 ライフサイエンス

特集論文

細胞機能解析デバイスの開発

叶井正樹1務中達也1阿部浩久1藤山陽一2中西博昭3

島津評論 61〔1・2〕 91~97 (2004.10)

要旨

本稿では,リアルタイムに細胞機能を分析するためのマイクロデバイスの開発について報告する。細胞の薬液刺激に対する細胞からの発現をリアルタイムに検出するため,微小培養室にサンプルインジェクタを集積化している。半導体製造技術を応用することにより,微小培養室に対しサンプルインジェクタを立体的に配置した構造を実現し,40pL程度の低デッドボリュームのサンプルインジェクタ構造が得られている。試作したデバイスについて評価実験を行い,サンプルインジェクタを用いて数nLの精度で試薬導入が可能であることを確認した。またデバイス上での細胞培養例としてHeLa細胞およびラット肥満細胞を培養し,正常に細胞培養が行えることを確認した。


1基盤技術研究所
2民生品部
3基盤技術研究所 工博
※所属名は論文作成時のものです。

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。