島津評論 Vol.61[1・2](2004)
特集 ライフサイエンス

特集論文

C末端をオキサゾロン経由で活性化したペプチドのアルギニン
誘導体化に基づくMALDI‐MSにおける高感度分析

中澤 隆1山口 実2西田希実子3九山浩樹4小浜孝士5安藤英治5岡村高明6上山憲一6田中耕一7乗岡茂巳8

島津評論 61〔1・2〕 71~83 (2004.10)

要旨

MALDI‐MSを用いたペプチドの分析において,ペプチドのイオン化を促進しそのピーク強度を向上させ,PSD分析でde novo 配列解析を簡易化するために,ペプチドのN末端やC末端を化学修飾する方法がしばしば用いられる。著者らは,ペプチドのC末端のカルボキシル基をオキサゾロンに変換し,これに正または負の電荷を持つ化合物をカップリングさせることにより,MALDI‐MSにおいて感度を著しく向上させる方法を開発したので報告する。


1奈良女子大学 理学部 理博
2分析計測事業部 ライフサイエンス研究所
3奈良女子大学 理学部
4分析計測事業部 ライフサイエンス研究所 農博
5分析計測事業部 ライフサイエンス研究所 薬博
6大阪大学大学院 理学研究科 理博
7田中耕一記念質量分析研究所
8大阪大学大学院 生命機能研究科 理博
※所属名は論文作成時のものです。

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