島津評論 Vol.61[1・2](2004)
特集 ライフサイエンス

特集論文

ハイスループットスポッティング装置による
多次元LC/MALDI‐TOF MSを使ったプロテオミクスオフライン解析法

岩田庸助1栗木智子2戸田千香子2関谷禎規3Helen Montgomery3上田輝久4西村 紀5

島津評論 61〔1・2〕 49~61 (2004.10)

要旨

MALDI(Matrix‐Assisted Laser Desorption/Ionization)‐TOF MSは高い分解能,広い質量数範囲,そして測定対象成分の取り扱いやすさという利点があり,プロテオーム解析における酵素消化タンパク質の研究の中で,数ある質量分析法の中でも最もよく用いられる。さらに,このようなプロテオーム解析において,質量分析装置と組み合わせた高速液体クロマトグラフ(HPLC)は,これまでの二次元電気泳動(2D‐PAGE)法の補完的な分析方法として,重要な役割を持つようになってきた。近年,これらHPLCとMALDI‐TOF MSのインタフェースとして,MALDI‐TOF MSのターゲットプレート上にHPLCからの溶離液を分画できるスポッティング装置が注目を集めている。このたび新しく開発したHPLC/MALDI‐TOF MS用自動スポッティング装置AccuSpot®の原理を分析応用例とともに紹介する。


1分析計測事業部 LCビジネスユニット
2分析計測事業部 ライフサイエンス研究所
3田中耕一記念質量分析研究所
4分析計測事業部 LCビジネスユニット 農博
5分析計測事業部 ライフサイエンス研究所 薬博
※所属名は論文作成時のものです。

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。