島津評論 Vol.60[3・4](2003)
特集 環境分析・測定

特集論文

水質総量規制における全窒素・全りん測定装置

矢幡雅人1板橋亨久1井上武明1大岸史和1

島津評論 60〔3・4〕 119~129 (2004.3)

要旨

富栄養化により汚濁が著しい東京湾,伊勢湾,瀬戸内海の閉鎖性水域の水質改善を図るため,当該水域に流入する工場,生活排水等による汚濁負荷量を削減することを目的に1979年から水質総量規制制度が施行されている。第1次から第4次の20年間では汚濁の規制対象項目は化学的酸素要求量(COD)のみであったが,平成13年から開始されている第5次水質総量規制では,規制対象項目として窒素およびりんを追加し,平成16年度を汚濁負荷量の基準値達成年度としている。したがって,平成16年4月以降は日排水量400m3以上の対象事業所は,全窒素・全りんの計測法として事実上自動計測器の設置が義務づけられる。本稿では,自動計測器として求められる維持管理操作性に優れ,ランニングコストの低減を実現している島津全窒素・全りん計4110シリーズおよびその計測事例を紹介する。


1分析計測事業部 環境ビジネスユニット
※所属名は論文作成時のものです。

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