島津評論 Vol.60[1・2](2003)
特集 ナノテクノロジー

特集論文

ガス吸着法・水銀圧入法によるナノ細孔の測定

鷲尾一裕1浅川 昇1道下 晃1

島津評論 60〔1・2〕 57~67 (2003.11)

要旨

固体材料のナノサイズの微細構造を間接的に評価するには細孔分布に着目するとよい。顕微鏡などでみる直接的な情報と異なり,試料全体の平均的な情報を効率よく得ることができる。細孔分布を求める代表的な手法が,ガス吸着法と水銀圧入法である。これらは細孔の開孔部の大きさにより使い分けられる。いずれの手法も,細孔形状を仮定し,細孔内にガスもしくは水銀を満たしてその大きさと体積を求めるものである。間接法であるがゆえに,得られる結果を見る際には注意が必要になる。
本稿においては,ガス吸着法を用いた高速比表面積・細孔分布測定装置アサップ2020シリーズ,水銀圧入法を用いた自動ポロシメータ オートポアIV9500シリーズを紹介するとともに,ガス吸着法,水銀圧入法の概要,解析法,その適用限界などを解説した。


1分析計測事業部 応用技術部
※所属名は論文作成時のものです。

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