島津評論 Vol.60[1・2](2003)
特集 ナノテクノロジー

特集論文

レーザ回折・散乱法によるナノ粒子の粒度分布測定

木下 健1丸山 充1

島津評論 60〔1・2〕 49~56 (2003.11)

要旨

波長405nmの青紫色レーザと,60度までの前方散乱光を捉える広角度散乱光検出系を採用した新しいレーザ回折式粒度分布測定装置が開発された。ポリスチレンラテックスと球形シリカ微粒子をこの装置で測定し,数10~数100nmの領域での分解能および粒子径識別能力が確認された。
また,高濃度測定システムに関してポリスチレン標準球での測定結果の妥当性が確認された。
また,希釈すると強く凝集するエマルション粒子を高濃度測定システムでは再現性良く測定することができた。
さらに保存状態の異なる二つの缶コーヒーについて,レーザ回折・散乱法における通常の測定濃度での測定では期待された粒度分布の差が確認できなかったが,高濃度測定システムでは確認でき,高濃度測定システムの有用性が確認できた。


1分析計測事業部 応用技術部
※所属名は論文作成時のものです。

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