特集論文
エミッション・トランスミッション同時収集画像を用いたPETと
CT/MRI画像フュージョン・ソフトウェアの開発
CT/MRI画像フュージョン・ソフトウェアの開発
島津評論 59〔3・4〕 213~219 (2003.5)
要旨
PET検査における腫瘍の解剖学的位置の特定には,CTやMRI画像との重ね合わせ表示が重要である。エミッションとトランスミッションの同時収集が可能なSET-2000Wシリーズでは,位置ずれのない吸収係数マップとエミッション画像を同時に得ることができる。そこで,PETの吸収係数マップをCTやMRI像に位置合わせし,そのときの変換パラメータ(平行移動・回転)を用いてエミッション画像をCTやMRI像に重ね合わせ表示するソフトウェアを新たに開発した。吸収係数マップの位置合わせの際には,トランスバース・サジタル・コロナル像を同時に表示しながら移動と回転を手動あるいは自動で三次元的に行うことが可能である。この手法を用いれば,マーカを使った撮像が不要になり,重ね合わせ作業が簡便かつ効率的になると同時に,位置合わせ精度の確認も容易になる。また特別な装置を必要とせず,DICOM形式のデータであれば撮像済みのCTやMRIのデータがそのまま利用できる。
1医用機器事業部 技術部
2基盤技術研究所
3島津エス・ディー株式会社
4医用機器事業部 マーケティング部
5医用機器事業部 技術部
※所属名は論文作成時のものです。
※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。