島津評論 Vol.59[1・2](2002)
特集 食品・医薬品の分析・測定・試験IV

特集論文

ミクロバブル超臨界CO2殺菌法とシステム開発

下田満哉1三宅正起2福山 博2筬島 豊3

島津評論 59〔1・2〕 103~110 (2002.11)

要旨

ミクロバブル超臨界二酸化炭素殺菌法は熱エネルギーに依存しない,すなわち‘おいしさ’を犠牲にしないまったく新しい食品の殺菌・酵素失活技術として,高い可能性を有することが明らかとなった。

本法において,試料中に溶解したCO2は殺菌に対して熱エネルギーと完全に等価であること,さらにCO2の殺菌効果は熱エネルギーと独立して作用することを明らかにした。本稿では,酵母,Saccharomyces cerevisiaeを試料としたときの殺菌工学的研究を解説する。
これらの研究成果に基づいて,島津製作所は世界で初めてミクロバブル超臨界CO2殺菌装置「MBSS‐1000」を開発した。


1九州大学大学院農学研究院 農博
2分析計測事業部 事業戦略室
3九州女子大学 学長 農博
※所属名は論文作成時のものです。

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。