島津評論 Vol.59[1・2](2002)
特集 食品・医薬品の分析・測定・試験IV

特集論文

オンライン前処理技術を用いた生体試料分析HPLCシステムによる
血漿中の薬物の分析

高橋雅俊1山部恵子1早川禎宏2三上博久1

島津評論 59〔1・2〕 45~55 (2002.11)

要旨

血漿や血清などの生体試料中の薬物分析を行うためのオンライン前処理技術を取り入れた新しい高速液体クロマトグラフ(HPLC)システムを開発した。

本システムCo‐Sense for BAは,新規開発された前処理カラムShim‐pack MAYI‐ODSとオンライン希釈法を備えた自動カラムスイッチングHPLCシステムから構成される。薬物を含む血漿や血清試料は,前処理を施すことなく直接Shim‐pack MAYI‐ODSに注入され,オンライン除タンパクと希釈が本システムにより自動的に行われる。このオンライン処理後,薬物は分析カラムに送られ,分離,定量が行われる。

本稿では,この新しいHPLCシステムの原理と血漿中の薬物分析への応用例について述べる。


1分析計測事業部 応用技術部
2分析計測事業部 LCビジネスユニット
※所属名は論文作成時のものです。

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