島津評論 Vol.59[1・2](2002)
特集 食品・医薬品の分析・測定・試験IV

特集論文

オンラインGPC‐GC/MSによる農作物中残留農薬分析

北川幹也1堀伸二郎2宮川治彦3田中幸樹4中川勝博4

島津評論 59〔1・2〕 15~23 (2002.11)

要旨

わが国では,食品の安全性を確保するために食品衛生法により食品中残留農薬の基準が設定されており,近年の輸入農作物の増加に伴い規制対象農薬の種類は年々増加している。これに対して厚生省(現厚生労働省)は,GPCクリーンアップ法を用い多成分の農薬が同時に前処理できることを特徴とした残留農薬迅速分析法を開発した。この方法ではガスクロマトグラフの検出器に選択性の高いECDやFPDを採用している。ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)はより多くの成分が同時測定可能であるため,分析を迅速化する方法として期待されている。著者らは農作物中残留農薬分析のさらなる迅速化と簡便化をめざすために,GPCクリーンアップとGC/MSをオンラインで接続した装置を開発した。


1大阪府立公衆衛生研究所 食品化学課
2大阪府立公衆衛生研究所 食品化学課 薬博
3分析計測事業部 MG/GCビジネスユニット
4分析計測事業部 応用技術部
※所属名は論文作成時のものです。

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