島津評論 Vol.59[1・2](2002)
特集 食品・医薬品の分析・測定・試験IV

特集論文

Co‐Sense for BA LCMSシステムを用いた直接注入による
生体試料中薬物の分析

河野慎一1合田隆大1小林まなみ1村北宏之1

島津評論 59〔1・2〕 3~12 (2002.11)

要旨

薬物動態研究や代謝研究において除タンパク処理は重要であるが,省力化することも課題となっている。今回血漿中薬物の直接注入分析を目的とし, 内面逆相充填剤を用いた前処理カラムShim‐pack MAYI‐ODSを装着した自動前処理LC/MSシステムCo‐Sense for BA LCMSを構築した。 質量分析計の利点である,高選択性を活かすために,前処理条件および分析条件を最適化し,除タンパク処理とグラジエント分析を合わせて5分サイクルのハイスループット分析を達成した。メトプロロール,プロプラノロール,リドカイン,ジブカイン,ブピバカイン混合試料を用いて評価を行い,回収率は90%以上,繰り返し精度は3%以下,直線性0.999以上と良好な結果が得られた。また,300回連続注入を行ってもクロマトグラムパターンに変化はなく十分な耐久性をもち,ルーチン分析に適していることを示した。従来型前処理カラムとの比較,システムのセミミクロ化についても検討を行ったので報告する。


1分析計測事業部 応用技術部
※所属名は論文作成時のものです。

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