特集論文
コンビナトリアルケミストリーにおける合成物の精製と物理化学的検定
―ハイスループットをめざして―
―ハイスループットをめざして―
島津評論 58〔3・4〕 137~149 (2002.3)
要旨
近年,コンビナトリアルケミストリーによる有機化学合成が脚光を浴び,有用物質探索や化合物の最適最大化の手法としてコンビナトリアル合成法が定着化してきた。合成物の物理化学的検定は目的とする機能検定とともに,新規物質の探索や創製において知的所有権保護のためにも不可欠である。機能検定では目的により異なるスクリーニング法が要求されるが,合成した分子の純度や構造が物理化学的に目的どおりか否かの解析では,よりユニバーサルな手法をとることができる。効率のよい合成法とともに効率よい物理化学的検定の手法は,ライブラリ構築の高効率化におけるパラマウントである。本稿では著者の経験もふまえ最近の手法,特に組み合わせて用いる高効率法などを解説した。
1技術推進部((株)島津総合科学研究所出向)薬博
※所属名は論文作成時のものです。
※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。