特集論文
PRISM-IRIXによる三検出器を用いたポジトロン同時計数機構(γPET)について
島津評論 57〔3・4〕 257~262 (2001.2)
要旨
ガンマカメラシステムPRISM-IRIXは三検出器型ガンマカメラであり,SPECT専用機としても高い性能を有する。この装置はシングルフォトンのみならず,ポジトロン同時計数回路も装備しているため,これまでも3個の検出器のうち2個を用いてのポジトロン同時計数機能を有していた。今回,検出器回路などのハードウェアとソフトウェアの改良により,三検出器によるポジトロン同時計数を可能にした。PRISM-IRIXは角度可変型であるため,どの検出器位置がポジトロン検出に適しているかをコンピュータシミュレーションにより検討した。この結果,回転半径を15 cmとして小臓器を検査するような場合は三角型,体幹部収集の際などで回転半径が30 cmなど大きくなる場合にはコの字型が適していることが示唆された。またさらにポジトロン検出効率を向上させるため,検出器回路を分割して管理するAZTec(Adaptive Zone Technology)が開発された。これによって検出効率が二検出器での同時計数から数倍向上した。
1医用機器事業部 技術部
※所属名は論文作成時のものです。
※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。