島津評論 Vol.57[3・4](2000)
特集 医用画像機器XI

特集論文

透視・撮影兼用型フラットパネルX線センサの開発

足立晋1佐藤賢治1堀直行1平澤伸也1吉牟田利典1田邊晃一1渡谷浩司1岸本栄俊1徳田敏1山田敏志1鈴木準一2佐藤敏行2上原和弘3和泉良弘3永田尚志3岡田久夫4

島津評論 57〔3・4〕 179~184 (2001.2)

要旨

透視・撮影兼用型のフラットパネルX線センサを開発した。フラットパネルX線センサは,パソコン用のディスプレイとして知られているTFT (Thin-Film Transistor) パネルにX線変換膜を組み合わせて構成される新しいタイプのディジタル撮像デバイスである。今回開発したセンサは,画素ピッチが150 μm,画素数が1536×1536で,有効視野として23 cm×23 cmの領域をカバーする。X線変換膜としては,アモルファス セレニウム(a-Se)を用いており,その膜厚は約1000 μmである。開発したセンサの画像物理特性を実験的に評価した結果,理論限界に迫る優れた解像力と高い量子検出効率が得られた。測定されたMTF値は,2 lp/mmの空間周波数で0.81,DQE値は0 lp/mmで0.74であった。


1基盤技術研究所
2基盤技術研究所 工博
3シャープ株式会社 液晶研究所
4シャープ株式会社 液晶研究所 工博
※所属名は論文作成時のものです。

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。