島津評論 Vol.57[1・2](2000)
特集 航空機搭載機器/数値解析・シミュレーション

普通論文

ウェーブレット変換を利用した信号処理・画像処理技術の開発

宇都宮眞一1

島津評論 57〔1・2〕 133~139 (2000.8)

要旨

ウェーブレット変換は,1980年代に入って本格的な研究が進められた比較的新しい数学変換であり,簡明な演算で高精度な時間-周波数解析ができることから,最近では幅広い分野で応用も進んでいる。島津製作所でも,特に各種計測装置から得られる信号や画像に対するSN比向上効果に注目し,ウェーブレット変換の応用技術の研究開発を行ってきた。

本稿では,まずウェーブレット変換について簡単に解説し,その応用メリットについて述べる。次に,薄膜用発光分析装置信号の雑音除去,およびX線CT画像の画質向上の両課題に対する,応用技術開発事例を紹介する。


1ソフトウェア開発センター
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