島津評論 Vol.57[1・2](2000)
特集 航空機搭載機器/数値解析・シミュレーション

普通論文

フォトダイオードアレイ検出器を用いた
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムによる
血清中の急性中毒起因物質,アセトアミノフェン,ブロムワレリル尿素,
メソミル,DEP,NACの分析

安藤英治1山口実2奈女良昭3屋敷幹雄4

島津評論 57〔1・2〕 109~113 (2000.8)

要旨

フォトダイオードアレイUV-VIS検出器を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムによる血清中の急性中毒起因物質の分析について,その前処理方法と分析の諸条件の検討を行った。対象物質としては,比較的中毒事故件数の多い,アセトアミノフェン,ブロムワレリル尿素,メソミル,DEP,NACを選択した。血清の前処理方法としては,Extrelutによる液-液抽出法,Sep-Pakによる固相抽出法,アセトニトリルによる除タンパク法について比較検討した。Extrelutによる処理方法は血清由来の雑物ピークも少なく回収率にも優れ,最も良い結果が得られた。さらに,実際のかぜ薬服用による中毒患者血清の分析も試みた。本法による分析方法は,移動相の調製,抽出操作方法も簡便かつ容易であり,HPLCを利用した中毒分析に,実用上有用な方法と思われる。


1分析機器事業部 ライフサイエンス部 薬博
2分析機器事業部 ライフサイエンス部
3広島大学医学部 法医学教室 薬博
4広島大学医学部 法医学教室 医博
※所属名は論文作成時のものです。

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