特集論文
ホログラフィック光学素子の回折特性解析
島津評論 57〔1・2〕 85~96 (2000.8)
要旨
本稿では,ホログラフィック光学素子の新しい解析手法を紹介する。「結合波理論」や「厳密な結合波解析」といった従来の手法では,理想的なホログラムを理想的に再生する場合しか,その振舞いを説明することができなかった。ここに紹介する手法はそれを更に一歩進めたもので,実際の製造環境によって製作されるホログラムを実際の使用環境で再生した場合の挙動が解析できる。
新しい手法では,実際に製造されるホログラムが持つ特徴を分類し,それぞれに対応するパラメータを与えることにより,必要とするもののみを解析に導入できる形式を採用している。また,この解析によって,理想的には発生するはずのない高次回折光が見掛け上増大する現象を説明できるようになった。著者はこのメカニズムを縮退複合回折と名付けた。
1航空機器事業部 技術部
※所属名は論文作成時のものです。
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