島津評論 Vol.57[1・2](2000)
特集 航空機搭載機器/数値解析・シミュレーション

特集論文

空間電荷効果を考慮した3D表面電荷法・軌道計算プログラムの開発と応用

藤田真1大田昌弘2

島津評論 57〔1・2〕 67~77 (2000.8)

要旨

医療用X線管など,比較的大きな電流を取り扱う装置の動作解析を行うことができる「空間電荷を考慮した電界,軌道計算プログラム」を開発した。従来から島津製作所のプログラム Optdesign(R) にあった三次元表面電荷法プログラム,軌道計算プログラムをベースとし,これに新規に考案した空間電荷の取り扱い手法を組み入れた。同時に,陰極電流密度を自動的に決定する機能を付け加えた。

計算はいくつかのモジュールプログラムを組み合わせることによって行われる。各計算,ファイルの流れを整理し,なるべくユーザに理解しやすいものをめざした。

プログラムの開発当初から念頭に置いていた医療用X線管動作解析への適用を行い,実測データとの比較を行うことによって,シミュレーションの計算精度が十分実用に耐えるものであることを確認した。


1基盤技術研究所
2表面・半導体事業部 技術部 理博
※所属名は論文作成時のものです。

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。