特集論文
ジャムトレーラント減速機構の研究
島津評論 57〔1・2〕 51~59 (2000.8)
要旨
通産省がJADC(日本航空機開発協会)に委託した研究の一環として,ジャムトレーラント減速機構(ジャミング(固着)を減速機構内で分離できるメカニズムを有する減速機構)の研究を実施した。
本研究では,要素技術の検討を実施した結果,遊星ギヤを使用することによって,減速機構内部に2系統の動力伝達経路を有するジャムトレーラントメカニズムを立案し,その成立性を,シミュレーションによる動特性解析を実施することにより確認した。
シミュレーションに際しては要素試作を行い,重要なパラメータ値を実際に評価試験で取得し,シミュレーションモデルにフィードバックすることにより解析の精度を高めた。
その結果,減速機構の入出力関係は常に一定であり,ジャミング発生時においても作動が継続されることが確認された。
1航空機器事業部 技術部
※所属名は論文作成時のものです。
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