島津評論 Vol.56[3・4](1999)
特集 環境分析・測定II

普通論文

光触媒式空気清浄機の開発

田原修1尾松宏治2

島津評論 56〔3・4〕 157~161 (2000.2)

要旨

家庭用の光触媒式空気清浄機(PAC-5000)を開発した。この空気清浄機は,集塵と脱臭,抗菌,抗ウィルス作用を有し,風量:0.7~2.5 m3/min,騒音:18~44 dB,消費電力:32~69 Wである。

集塵作用は,プリーツ状の静電フィルタにより0.005 μmの粒子を99.9%除塵し,16畳の部屋で煙草の粒子を14分で70%除去する。脱臭・抗菌・抗ウィルスは二酸化チタンによる光触媒ハニカムで行われる。光触媒ハニカムは不織布,活性炭,光触媒から成る3層構造の半円筒形で,その軸中心に蛍光ランプを配することにより,ハニカム表面全体に蛍光が照射される。

煙草臭,ペット臭,NOx の除去,ホルムアルデヒドなど各種有害物質の除去,インフルエンザウィルスの不活性化,黄色ブドウ球菌の殺菌作用が確認された。


※所属名は論文作成時のものです。
1民生品部
2基盤技術研究所

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。