島津評論 Vol.56[3・4](1999)
特集 環境分析・測定II

特集論文

環境ホルモンの測定
― GC/MSによるアルキルフェノール類・ビスフェノールAの一斉分析法の検討 ―

牧岡慎吾1斎藤良弘1福本真治1橘和丘陽1日根隆1

島津評論 56〔3・4〕 137~151 (2000.2)

要旨

外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)は生体の存続に対する危険性があり,問題視されている。現在環境ホルモン様物質は約70種類がリスト化されており,環境庁,建設省は全国の河川,湖沼,底質,水生生物の一斉モニタリングを開始している。

今回,著者らはその中のアルキルフェノール類・ビスフェノールAに関し,GC/MSを用いた一斉分析法の検討を行った。

現在 環境庁から提示されている暫定試験法では,アルキルフェノール類とビスフェノールAは個別の試験法となっているが,著者らは前処理が同一条件であるということに着目し,いずれの物質ともトリメチルシリル化を行い,一斉分析が可能な測定方法を検討した。その結果,この測定方法により,環境庁の目標下限値である10 pptの測定が可能であり,また,河川水試料にも応用できることを確認した。


1分析機器事業部 応用技術部
※所属名は論文作成時のものです。

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