島津評論 Vol.56[1・2](1999)
特集 センサ・デバイス

普通論文

ポリL‐乳酸オリゴマーの熱解重合反応によるLL‐ラクチドの生成(第1報)
― 有機スズ[Sn(IV)]化合物触媒の検討 ―

野田昌樹1

島津評論 56〔1・2〕 83~86 (1999.8)

要旨

モノ,ジアルキル,テトラアルキル,アリールスズ(Sn(IV))化合物をL‐乳酸オリゴマーの熱解重合によるLL‐ラクチド生成反応触媒に用いた。触媒活性比較のため生成したラクチドの化学収率,ラクチド光学異性体,LL‐ラクチド,Meso‐ラクチドおよびDD‐ラクチドの生成比を光学活性β‐サイクロデキストリンキャピラリーカラムを用いたガスクロマトグラフィー(GC)により測定し,従来用いられているオクチル酸スズ(Sn(Oct)2)触媒による結果と比較検討した。モノブチルトリクロライド(BuSnCl3)が最も強い触媒活性を示し,モノブチルスズオキシド(BuSnO(OH)),モノブチルスズクロライド(BuSn(OH)2Cl),テトラブチル1,3‐ジアセトキシジスタノキサン(Bu2Sn2O(OAc)2)がオクチル酸スズとほぼ同等の活性を示した。


1基盤技術研究所薬博
※所属名は論文作成時のものです。

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