島津評論 Vol.56[1・2](1999)
特集 センサ・デバイス

普通論文

短鎖およびイソペプチドの配列分析の新展開
― Phenylthiocarbamyl(PTC)ペプチドのオフライン分離およびその後の転換反応の利用 ―

佐藤健司1奥村毅2樋垣典子3中村考志4大槻耕三5

島津評論 56〔1・2〕 59~65 (1999.8)

要旨

逆相HPLC(高速液体クロマトグラフィー)での分離が困難な親水性短鎖ペプチドをフェニルイソチオシアネート(PITC)で誘導化し,フェニルチオカルバミル(PTC)‐ペプチドとして逆相HPLCで分離後,切断反応から開始するようにプログラムを変更した島津プロテインシーケンサ(PPSQ‐10/21)により配列分析を行った。本法により食品中の短鎖アミノ末端閉鎖ペプチドのデブロック後の配列分析が容易となった。また,ε‐(γ‐グルタミル)リジンイソペプチドの配列分析にも,PTC誘導化物を分離後のフェニルチオヒダントイン(PTH)化および塩酸加水分解が有効であった。


1京都府立大学 人間環境学部 農博
2ライフサイエンス機器部
3京都府立大学人間環境学部
4京都府立大学 人間環境学部 薬博
5京都府立大学 人間環境学部 理博
※所属名は論文作成時のものです。

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