島津評論 Vol.55[3・4](1998)
小特集 新素材・半導体の分析・試験II

特集論文

BPSG膜評価用高周波グロー放電発光分析装置の開発

小西郁夫1坂内尚史1藤田広之2古味秀人2田村正志2宇都宮真一3

島津評論 55〔3・4〕 235~247 (1999.3)

要旨

LSIの微細化に伴い,製造プロセスにおける平坦化技術の重要性が増している。現在量産中の16M-,64M-DRAMでは,層間絶縁膜の平坦化にBPSG膜のリフロー技術が使われている。このリフロー特性は膜に含まれるホウ素とリンの濃度や深さ分布に依存する。今回著者らは,高速・簡便という利点を持つグロー放電発光分光分析装置(GDS)をベースに,ホウ素とリンのウェーハ面内濃度分布と深さ方向濃度分布が同時に測定できる,BPSG膜の品質管理(QC)用検査装置,BPSGテスタ GDLS-9955を開発した。

本装置では,現場でのQCの合否判定が迅速・簡便に行えるよう,8インチウェーハの自動搬送・自動計測システムを構築した。また,絶縁膜ならびにLSIの信頼度に影響を及ぼす水素も測定できることから,BPSG膜以外の絶縁膜や配線膜,キャパシタ膜等,各種成膜プロセスの評価にも幅広く適用できる。本稿では,システムの概要と,これら応用例について報告する。


1基盤技術研究所
2表面・半導体機器部
3ソフトウェア開発センター
※所属名は論文作成時のものです。

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