島津評論 Vol.55[1](1998)
特集 産業機器II

特集論文

たわみ軸設計によるガラス繊維巻取機

河西敬祐1

島津評論 55〔1〕 35~39 (1998.8)

要旨

本稿では,ガラス繊維巻取機の概要と,3パッケージ巻取機のたわみ軸設計について述べる。

ガラス繊維巻取機は溶融ガラスを繊維状に引き出し,高速で巻き取るガラス繊維の製造装置である。プリント基板の強化繊維などに使用されるテキスタイルヤーン糸の増産,ならびに生産性の向上に対応するため,従来の2パッケージ巻き仕様を最高紡糸速度を落とさずに,3パッケージ巻き仕様とした。3パッケージ巻取機では,回転軸が片持ちで1000 mmのロングオーバハング軸となるため,従来以上に回転振動が問題となる。この回転振動を低減するため,危険回転数以上での自己調芯性が期待できる,たわみ軸設計を適用し,低減化を達成した。この結果,生産量は従来の1.5倍まで増大が可能となった。


1産業機械事業部 産業機械製造部
※所属名は論文作成時のものです。

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。