島津評論 Vol.55[1](1998)
特集 産業機器II

特集論文

ヘリコプタFBW用油圧アクチュエータの開発

吉田稔1福家立1

島津評論 55〔1〕 27~34 (1998.8)

要旨

コミュータヘリコプタ先進技術研究所のもとで,ジャム プルーフ性を有するダイレクト ドライブ バルブを用いたヘリコプタFBW(Fly-By-Wire)用油圧アクチュエータの研究を進めている。ダイレクト ドライブ バルブについては,これまで研究開発を行ってきたロータリモータ/ロータリバルブ型式バルブの開発経験を十分に活用し,モータをローパワー化するとともに,モータ出力をバルブに効率的に伝達できるものを開発した。

平成8年度に電気系3重,油圧系2重の冗長度を持つパラレル型アクチュエータのブレッド ボード モデルの試作を行った。このアクチュエータの制御特性としては,バルブにジャムが発生した後も,ヘリコプタ操縦系統への適用に際して十分運用に耐えうる性能が得られた。現在これらの成果を生かして,FBW飛行実証機に供する搭載用アクチュエータの開発を進めている。


1航空機器事業部 技術部
※所属名は論文作成時のものです。

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