島津評論 Vol.55[1](1998)
特集 産業機器II

特集論文

バッテリーレス磁気軸受ターボ分子ポンプ

芦田修1山口均1田中雅彦1久保雅英1伊藤喜直1

島津評論 55〔1〕 3~10 (1998.8)

要旨

著者らは,1996年に半導体・液晶製造プロセスから要求される高い信頼性に対応すべく,磁気軸受を採用したターボ分子ポンプのシリーズを開発した。排気速度は190 L/sから3200 L/sまでの8機種とし,バッテリーの不要な,横幅1/2ラックサイズの電源装置を開発し,電源装置のメンテナンスを不要にした。また一台のポンプでオイルフリーの10(-9)Paオーダの到達圧力と10(-1)~10Paの中真空での大流量排気を同時に実現した。ロータ翼には一体物のアルミニウム型打鍛造材を採用し,ケーブルやポンプを交換しても電源装置の再調整を不要として,この面でもメンテナンス性を向上させた。また予防保全の見地から,RS-232C準拠のインタフェースを標準装備し,ロータの回転数やモータの電流を外部からモニター可能とした。さらに,ポンプにヒータを装備し電源装置に温度調節ユニットを追加したタイプも提供しており,ドライエッチングにおける反応副生成物の付着を低減している。


※所属名は論文作成時のものです。
1産業機械事業部 産業機械製造部

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。