島津評論 Vol.54[4](1997)
特集 食品分析・試験

普通論文

紫外可視フォトダイオードアレー分光光度計MultiSpec-1500について

阿久根智1山内弘規1石本潤喜1

島津評論 54〔4〕 301~306 (1998.3)

要旨

紫外可視フォトダイオードアレー分光光度計MultiSpec-1500は,近年,紫外可視分光分野でのスペクトル測定の高速化の要求がますます増加しつつあることに応え,従来の波長スキャン形式の紫外可視分光光度計では困難であった高速スペクトル測定,多波長同時モニターなどに対応するために新しく開発された。

本装置は,機械的な駆動部分を最小限に抑えた,新開発の後分光方式のシンプルな光学系およびオープン試料室の採用,フォトダイオードアレー,DSP,SCSIインタフェースなどをベースにした高速信号処理技術の適用,高機能PCソフトウェアの組込などの特徴を有し,操作の簡易性を確保しつつ,高速スペクトル測定を実現した。高速測定の実例として,2,6‐ジクロロフェノールインドフェノール水溶液のL‐アスコルビン酸水溶液による還元反応を,0.1秒単位で追跡した。また,未知試料スペクトルと,その重回帰定量結果を示した。


1分析機器事業部技術部
※所属名は論文作成時のものです。

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