特集論文
大量試料導入法を用いたキャピラリGC分析
―農産物中残留農薬分析への適用―
―農産物中残留農薬分析への適用―
島津評論 54〔4〕 271~280 (1998.3)
要旨
代表的な有機リン系,有機窒素系農薬成分を試料として用い,大量試料導入法のキャピラリガスクロマトグラフィー(GC)分析への適用の検討を行った。試料気化室にPTV(Programmed Temperature Vaporizer)を用い,ガラスインサートにTenax GCを充填したものをプレカラムとして用いることで,比較的高沸点成分が多い農薬成分の分析において通常の数百から数千倍までの試料の導入が可能である。この方法により従来よりも希薄な試料の分析が可能になるだけでなく,農産物等からの抽出や濃縮,クリンアップ操作等の簡略化が図れる場合があり,残留農薬のスクリーニング法としての有効性が示唆される。
1分析機器事業部技術部
2分析機器事業部応用技術部
3財団法人日本食品分析センター多摩研究所
※所属名は論文作成時のものです。
※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。