特集論文
ポストカラム誘導体化法を応用したHPLCによる亜硫酸の分析
島津評論 54〔4〕 255~259 (1998.3)
要旨
亜硫酸および亜硫酸塩は,食品中に酸化防止剤として広く使用され食品の品質管理上も重要なため,精度良くかつ高感度に分析する方法が望まれる。
本稿では高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により,亜硫酸の分析にポストカラム誘導体化法を応用して分析する方法について紹介する。
亜硫酸をホルムアルデヒドと反応させて安定なヒドロキシメタンスルホン酸に導き,分離後にオルトフタルアルデヒド(OPA)を試薬に用いたポストカラム誘導体化法に応用した。誘導体化のための反応条件を検討したところ,pH=9,OPA濃度400μM以上,アンモニア濃度3mMのとき蛍光強度が最大となった。本法による亜硫酸の検出限界(S/N=3)は100fmolであることから,選択性および感度において優れた分析法であることが確認された。
1分析機器事業部LC部
※所属名は論文作成時のものです。
※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。