特集論文
牛乳中の鉛の測定
島津評論 54〔4〕 243~248 (1998.3)
要旨
鉛は,その毒性により食品,薬品等について許容濃度が規制されている。牛乳中の鉛については,その許容濃度が見直されようとしている。今回,低濃度の鉛が対象となるため原子吸光分析の電気加熱原子化法を用いた。煩雑な前処理を行うことなく,グラファイト炉に牛乳を直接導入することで,精度良く定量する方法の確立を目的として検討を行った。牛乳中の鉛分析では,グラファイトチューブに空気(酸素)を流し有機物の分解を促進することが効果的とされている。今回,干渉抑制に効果のあるプラットフォームチューブと,マトリクスモディファイアとしてパラジウムを用いることで,酸素無添加でも精度の高い測定が可能であることが分かった。
1分析機器事業部応用技術部
※所属名は論文作成時のものです。
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