島津評論 Vol.54[2](1997)
特集 システム・制御・ネットワーク

普通論文

ECR プラズマ CVD 法による DLC 膜の成膜と
ハードディスク装置用ヘッドへの応用

鈴木準一1鈴木正康2岡田繁信3

島津評論 54〔2〕 135~142 (1997.8)

要旨

DLC 膜は,硬度,耐磨耗性,耐腐食性,耐電圧特性,耐絶縁性および化学的安定性などに優れた性質を持ち,高機能材料の1つとして注目されている。著者らは,絶縁基板にも成膜可能な,RF バイアス ECR プラズマ CVD 法により,原料ガスにエチレンを使用して DLC 膜を成膜し,ヌープ硬度,ラマンスペクトル,膜中水素濃度などにより膜質の評価を行った。さらにこのDLC 膜を,ハードディスク装置用ヘッド保護膜に応用するため,スパッタリング装置とRF バイアス ECR プラズマ CVD 装置を一台にまとめた,複合成膜装置 DLC-MR2型を開発した。また,この装置により成膜した膜の平滑性を調べた。


1生産技術研究所半導体製造技術開発センター工博
2産業機械事業部産業機械製造部
3航空機器事業部航空機器工場理博
※所属名は論文作成時のものです。

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