島津評論 Vol.54[2](1997)
特集 システム・制御・ネットワーク

普通論文

ステッピングモータのマイクロステップ駆動制御
―島津マイクロマニピュレータシステム MMS-77への適用事例―

山下光夫1板橋亨久1三浦忠2金内孝宏3井上光二4

島津評論 54〔2〕 129~134 (1997.8)

要旨

工業用異物マイクロサンプリングおよびバイオ用マイクロマニピュレーション機器である島津マイクロマニピュレータシステムMMS-77 では,微小器具を操作する3次元アーム部にステッピングモータのマイクロステップ駆動制御を採用した。ステッピングモータ巻線に供給する駆動電流を微小に増減させ,ステッピングモータ固有のステップ角より微小な角度単位でステッピングモータを回転させる駆動方法をマイクロステップ駆動制御と呼ぶ。これにより,0.1μmの駆動ピッチを有する高分解能位置決め機構を小型化して高剛性化を実現し,ステップ角度を連続的に変化させ,滑らかな動きと1μm/s~3 mm/s という3000倍の速度範囲を実現する一方で,脱調の可能性がある回転速度域を避ける制御を実施し,信頼性の高いオープンループ位置決め制御システムを構成した。


1生産技術研究所
2ライフサイエンス機器部技術部
3分析機器事業部技術部
4生産技術研究所工博
※所属名は論文作成時のものです。

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。